No.5-売掛金の分割払いと債務承認弁済契約


 

Q.甲社は、乙社から、菓子製造を継続的に受託していたところ、次第に未払の売掛金が累積して合計100万円近くまで迫ってきました。相手先の乙社は、資金の余裕がなく、1回で支払うことはできないとのことで、月5万円ずつの分割払いで売掛金を支払いたいと申し出てきました。

 

これだと、売掛金の完済まで1年以上の期間が掛かってしまうものの、大事な取引先なので、穏便に済ませたいのですが、売掛金の回収を保全するため、何かいい方法はありませんか?

 

 


A.乙社は、売掛金の支払債務の存在を認めているものの、資金がないため、支払の延期したり又は分割払いを行わざるを得ません。


しかし、単に期限を延期したり、分割払いにしたりするだけでは、乙社が約束通り支払ってくれない場合もあり得ます。

 

そこで、上記のような場合に備え、売掛金の支払いに関して、強制執行認諾文言を付した債務承認弁済契約公正証書を作成するのが望ましいといえます。

 

強制執行認諾文言を付した債務承認弁済契約公正証書により契約を締結しておけば、相手先が期限までに支払ってくれない場合、分割金の支払いを怠った場合等においては、裁判所の確定判決がなくても、比較的簡単に強制執行(ex 相手先が所有している不動産を差し押さえて競売すること等)することができます。