No.16-求償債務の履行に関する契約公正証書を執行証書とした場合の執行力の有無


 

Q.例えば、債務者乙が債権者甲から1,000万円を借り受けるにあたり、丙が連帯保証をしたことにより、乙丙間で求償債務の履行に関する契約公正証書を執行証書として契約締結した場合、乙の丙に対する事前求償権又は事後求償権について執行力は認められますか?

  

 


 

A.この点、乙の丙に対する事前求償権については執行力は認められますが、事後求償権については執行力は認められないとされます。

 

これは、執行証書として認められるには「債務の一定性」が求められるところ、事後求償権は債権者に代位弁済した後に金額が確定することから、公正証書作成時点では未だ債権額を確定させることはできず、その結果として「債務の一定性」を満たさないと考えられているためです。